DELLスリムPC、突然電源が入らず
たびたびあるのですが「DELLのスリムPCの電源が入らない」という修理依頼が来ました。
電源ボタンを押してもウンともスンとも言わない、ファンも回らない、何のランプも点かない。
コンセントを抜き差ししてもだめ。かなり焦ってしまう人も多いかと思います。
症状確認。電源トラブルはDELLの定番?
お客さまの所に訪問してまずは症状を確認します。電源ケーブルが抜けてないか?コンセントにもしっかり差さっているか?というところから確認していくのですが、残念ながら(?)そのあたりは大丈夫でした。電源ケーブルをしばらく抜いてみて指し直したりもしてみるのですが今回はダメでした。根本的解決にはならないにしても意外と治ることもあったりします。
DELLのスリムPCでは何度も経験してきたことなのですが、電源ユニットの故障の可能性が高いというのが第一感でした。
本来ならテスターなどで電圧などを測定したりするべきなのでしょうが、 こういった症状は過去の経験からほぼ電源ユニットの故障のため電圧測定などは省略してしまうことも多いです。
個人的な印象ですが、DELLのPC、特にスリムタイプではこれまで10台以上もの電源ユニットを交換してきたため、この手のトラブルでは電源ユニットが原因だった、というケースが少なくない印象です。
やはり電源ユニットでした
「電源ユニットが怪しい」というのを確かめるために、手元にあった別のDELL製スリムタワーPCから、電源ユニットを一時的に外して繋いでみました。するとやはりというか何というか、無事にPCが起動しました。
これで、マザーボードや他のパーツには問題がなく、電源ユニットが犯人だったととりあえずは断定できそうです。
そして、故障した電源ユニットを「せっかくだから中を見てみるか」と分解してみました。すると、案の定なのですが、内部の電解コンデンサがいくつもパンパンに膨らんでいました。 これで電源ユニットが故障している可能性がぐんと高くなったため移植作業にスッキリと入れます。
電源ユニットの移植!本当は新品がいいのですが・・・
DELLのスリムPCって、電源ユニットが一般的なATX電源とは異なり、独自規格(SFX規格などと言われているけどサイズが数パターンある感じ)を採用しているケースが多く、汎用品で代用するのが意外と大変な印象です。本当なら新品の電源ユニットに交換したいところなんですが、たまたま在庫で互換性のある同型電源ユニットがあったので、それを移植することにしました。
もし、新品の電源ユニットを探しているのであれば、Amazonや楽天でも手に入る場合があります。ご自身のPCの型番や、電源ユニットの型番から探してみるといいかもしれないです。特に電源ユニットのサイズや対応しているコネクタにも注意をするといいかもです。
簡単ではありますが交換手順です。
- 安全と静電気に気をつける: まずはPCの電源を抜いて、しばらく放置します。残った電気を放電させるためですね。静電気対策は正直、夏場はあまりガチガチにはやってません。でも、PC内部に触れる前には、金属製のドアノブに触って静電気を逃がすことはしています。修理する部位によっては静電気防止手袋を使うこともありますが、私は不器用なので手袋をすることで作業を失敗してしまいそうになることも多いため、ケースバイケースとしています。
- ケースを開ける: サイドパネルを固定しているネジを外して、慎重にパネルを開けます。ネジ2本で固定されているものが多く意外と簡単に開くので見慣れていないお客さまは結構驚かれることが多いです。
- 古い電源ユニットを外す:
- マザーボードやハードディスク、DVDドライブなんかに繋がっている電源ケーブルを、一つずつ丁寧に抜いていきます。どれがどれか分からなくならないように、写真を撮っておくと安心です。手順が前後しますが、おそらくPCに接続されているUSB機器やモニタなどのケーブルがささっている位置も写真を撮っておくといいかと思います。修理後に同じ場所に差さないと動作に支障が出る機器もあります。
- 電源ユニット本体がケースにネジで固定されているので、それを外して、ユニットを取り出します。DELLのPCによっては、電源ユニットが特殊なブラケットで固定されている場合もあるので、力ずくで外さないよう焦らず確認しながら進めます。
- 移植する電源ユニットを取り付ける: 取り外した時と逆の手順で、ドナーPCから取ってきた電源ユニットを設置します。ケーブル類は、後でPCの蓋が閉まらなくならないように、邪魔にならないようにまとめておくといい感じです。
- 最終確認: 全てのケーブルが正しく、しっかり接続されているか、緩んでいるところがないか、再度丁寧に確認します。
そして動作確認です
新しい電源ユニットに交換し、電源ケーブルを繋ぎ、電源ボタンを押すと・・・おおっ!見事にPCが起動しました。もう何度となくやっている交換作業ですがやはり正常動作した時の喜びは格別です。
USBなどで接続されている機器が正常に動いていることも確認して作業は終了です。
まとめと考察
今回のようにほんとに多いDELLスリムタワーの電源トラブルなのですが、電源ユニットが特殊形状ゆえに選択肢が限られているのが一番のネックになるといつも感じています。
そして、電源ユニットの性能の割にお値段もそれなりにお高いのが難点でもあります。生産数などからして仕方ないかもですが。
「見た目はどうでもいいからすぐ直して」と言われたお客さまのところでは、すぐに入手できるATX電源を無理やりスリムタワーの上に設置して外付け電源として動かしたこともあります。スリムタワー型の長所がなくなってしまうのですが、電源はしっかりしたものなのでパソコンは安定動作するので一つの手ではあるかとは思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
